人生チャレンジ・Jさんの話7(完)

アメリカの陪審員制度をネタにした映画や小説は沢山あります。デミ・ムーアの「陪審員・The Juror(1996)」や、ペリカン文書で有名なジョン・グリシャムの小説を映画化した「ニューオーリンズ・トライアル・Runaway Jury(2003)」など。いずれも、陪審員の選別や裏工作をトピックにしてますね。

日本では陪審員制度はあまりなじみが無いと思いますが、アメリカ市民の場合、ランダムで選別のお知らせが届きます。(義務)昔、私がニューヨークで働いていた時のボスの娘さんは、陪審員選別の通知が届いたときは「私は小さい時、黒人にいじめられて、それ以来、差別しちゃうから陪審員は無理」と言って逃げるそうです。(嘘も方便ですね)1日で終わるような裁判ならいいですが、最悪の場合、数週間、いや、数カ月以上に発展する可能性があるからです。また、注目を集める裁判だったり、判決の結果によって周囲から恨まれたり。誰でも陪審員なんて嫌がりますよね。。。

さて、Jさんのケースはとんでもないことが発覚してしまったのです。ワシントンDCからもバタバタと人が来て、、、つまり、もみ消すために、Jさんと「交渉」したのです。さあ、何がどうなって交渉したのかは、ここで活字にするのはいけないと思いますので、後日、メルマガでお知らせします。

前回の記事に書きましたが、Jさんは4つの刑種で起訴されました。

1)「武装強盗
2)「暴行罪」
3)「重罪前科者による銃の所持
4)「州規定以上の大麻の所持」

そのうち、交渉の末、1)だけに刑事事件を絞ることにしました。つまり、検事側は、2,3,4を取り下げたのです。すごい交渉です。Jさんもこの3)はどうやって戦うか悩んだので、ほっとしたそうです。

普通、こうしたことは弁護士の仕事なのですが、Jさんの独学と自力で勝ち取りました。さらに、メイン州と、その後移動したニューハンプシャー州の刑務所を起訴しました。(これは時間がかかります。決着は釈放後になるでしょう)私は囚人が刑務所の中から刑務所を起訴するなんて聞いたことがありません。オバマ大統領時代は、囚人が60才以上になったら、6か月懲役が短くなるように申請できたのですが、トランプ大統領になったら、そんなシステムは却下になったので、現在、Jさんは上告中です。

長く待ちに待った、判決の日、それは2015年の夏。事件から4年が経ちました。弁護士もすでに7人目でした。ここで運命が変わるのでJさんは気合いが入っていました。本人も自信がありました。なので、Jさんは弁護士ではなく、自分が「冒頭陳述」を述べたいと申し出て(笑)2時間にも及ぶ(同じことの繰り返しの)「冒頭陳述」だったそうです。しかし、裁判官は非常に感動(?)して「武装強盗」有罪、懲役10年の判決を出しました。さて、Jさんはすでに4年入っているので、その分は判決の10年から引かれます。予定は2020年釈放です。判決後にニュージャージー州の連邦刑務所に移動しています。

本当は、刑務所の中で色々なことがあるのですが、例えば携帯電話が流れて来て1機1300ドルで囚人の間で売り買いしたり、やり手の囚人は2年間で8万ドル(8千万円)売り上げたり。で、携帯電話で何してるのかと言ったら、皆さんYouTubeやフェイスブックしてるそうです。

また、囚人のなかには鎮痛剤8錠売った罪が、いつの間にかFBIのおとり捜査員が出てきて、証拠無しに20錠売ったと証言し、8カ月の禁錮が12年の懲役になった囚人の話もあります。なぜか?それはタダに等しい労働を得るからです。不法外国人より安い労働です。1か月の労働で7ドルぐらいだそうです。ウォールマート(Walmart)とかで売っている安い Tシャツやスウェットシャツの会社「Gildan」は囚人労働力でコストを下げて定価を下げているのは有名です。

実際、FBIの捜査員も潜入してテロ活動の素質のある囚人はマークして、美味しい話を振ってわざと釈放して、実際に相手が行動するまで待ち、捕まえると言う事もしてます。(実話)そういう裏の話はテレビでは報道されないだけです。そんなFBIの話もいつか紹介しましょう!

最後に。私の周りには何故か、Jさんだけでなく過去にムショに入った人、現在入ってる人、合わせて数人います。別に皆さん根っからの犯罪者というわけでなく、不器用でも一所懸命に生きている人間臭い人たちなのです。そして皆さん共通して口をそろえて言う言葉は、

「神を信じる!」

なんですね。刑務所行くと皆さん神を信じ始めるみたいです。

やはり人生、どんな逆境でもあきらめずトライし続ければ、何とかなるものです。亡くなった祖母が残した言葉は「人生はね、夢を持つことなのよ」だそうです。読者の皆さんも何か(犯罪以外で)冒険してみてください。

最後までお読み下さりありがとうございました。ではまた次回の記事で。
(Jさんの話シリーズ・完)

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